ネタが浮かばないときにどうするか これは私が実践している方法であって、万人に通用するわけではない。 また、私が開発したものでもなくて、昔から取られてきた方法でもある。 それは、「ネタ出しのために他人と話をすること」だ。 少し違うかもしれないが、「ソクラテス式問答法(あるいは対話法)」に似ている。 簡単にいえば、みんなで話し合って意見を出し合うということである。 ある程度の共通知識と、相談内容に対する理解が得られる状態なら、どのような形式で もいい。 三人よれば文殊の知恵、の言葉通り、複数の人間で話し合うということは、自分自身の 凝り固まった考え方をほぐし、かつ、新しい視点を生み出してくれる。 これは、すごく使える方法だと思う。 聞くところによれば、かの『フランケンシュタイン〜あるいは現代のプロメシュース』 も、作者であるメアリ・シェリーが、友人同士の語り合いの中から発想を得たという。 ただ、気を付けなければいけないことは、話し合いの目的を明示することだ。 「これは、自分が書く小説のネタ出しである」ということを、あらかじめ納得しておい てもらわないといけない。 そうでなければ、「アイデアを盗まれた!」という争いが始まる可能性もある。 こうして考えると、創作にとって本当に重要なのは、仲間の存在なのかもしれない。